当院へおいでになる方は、何らかの症状が出てからご来院いただく方がほとんどです。そのため、虫歯や歯周病などが進行していることが多いのですが、治療については緊急性の高いものを優先しつつも、その場しのぎの対症療法だけで終わらないようにしています。当院ではコンセプトに「原因除去療法」を掲げていますので、しっかりと問題の根本を捉え解決するよう心がけています。

また、症状がある患部のみに目がいってしまいがちですが、お口の中はさまざまな要素で成り立っています。包括的治療を行うことで症状の解決だけでなく、全身の健康につながるようなご提案をしています。そのうえで、歯周治療、インプラント治療、審美治療、矯正治療、予防治療など様々な治療で上質な治療を提供できるよう心がけています。

歯科医師になって約20年、こちらで開業して12年ほどになります。現在の歯科医療業界では、お口の病気の代表的なものである虫歯や歯周病は、「治療よりも予防」という意識がかなり高まってきています。しかしながら、まだまだお口の健康管理について真剣に考えていらっしゃる患者様は少ないというのが診療を通して感じています。

治療後のメインテナンスなども怠ってしまうために、再発・再治療が必要になって当院へおいでになる方も少なくありません。歯の病気は、自覚症状などがないときから始まっています。継続しての健康管理が必要だと伝えていきたいですね。

成人のお口の中で起こるさまざまなトラブルの根底には、歯周病が潜んでいるからです。
歯周病は、全世界でもっとも患者が多いとギネスブックにも掲載されている病気です。 日本では成人の約80％以上の方が発症している国民病で、歯を失う原因の1位がこの歯周病とされています。そればかりか、歯周病のバクテリアが血液の中に入って全身を流れることで、心臓病や肺炎、妊婦では低胎児出産や早産のリスクを7倍にも引き上げることがあることがわかっています。その他にも、糖尿病患者の9割以上が歯周病であり、糖尿病を悪化させている慢性合併症であることもわかってきました。そのため、歯周病治療には特に力を入れているのです。

また、歯周病治療では、歯を支える、いわば「土台」を治療することになります。建築でも同じことがいえますが、まずは土台をしっかり整えることが大事です。お口の中で土台といえば、歯を支える顎の骨や歯肉などの歯周組織のことです。歯周病を治さずにどんなに素晴らしい被せ物や高度なインプラント治療をしても、その土台がダメであれば砂上の楼閣と一緒です。歯を長く長持ちさせるために、当院では高い技術力を持って治療にあたっているのです。

当院の歯周病治療では、目には見えない歯周病の進行状態をレントゲン撮影やポケット測定などの検査で確認した後、徹底した原因除去療法を行います。軽度の場合は、歯科衛生士によるブラッシング指導や歯石除去などの細菌コントロール、重度に進行した場合では歯周外科処置を行い、歯周組織の健康が改善された後、被せ物をするなどの治療を可能な限り行います。時間をかけて悪くなった分、歯周病の治療にはそれ相応の時間や治療回数がかかりますが、私たちの役割は、一度治療した歯を長持ちさせることや、歯周病が再発しにくい口腔内環境に整えること。まずは治療や治療後のメインテナンスなどについて、患者様自身にご理解とご協力をしていただくことが非常に重要だと考えております。

歯周病治療、インプラント治療、審美治療、矯正治療などさまざまな治療技術の質を高め、それら治療が高度に融合する包括的診療、天然歯や治療した歯を長持させられる予知性の高い歯科医療をご提供できる歯科医院を目指していきたいと考えております。

また、ここまで医院として続けられてきたのは、地域の皆様あってこそ。地域の皆様から信頼され、なんでも相談できるホームドクターを目指し、これからも歯科診療を通して全身の健康維持に貢献していきたいと思います。痛みなどの自覚症状がなくても、ちょっと歯のクリーニングをしてもらいに、悪いところがないか定期検診を受けに、そんなふうに気軽に通っていただける存在になることが今後の目標のひとつです。