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昨今、若い方を中心に治療を希望されることの多い矯正歯科治療ですが、矯正歯科はどなたでも行うことができるわけではないことをご存じでしょうか。
以下に該当する方で矯正歯科治療をご検討もしくはご希望されている方は注意が必要です。是非事前にご一読いただけると幸いです。
① 虫歯や治療中の箇所のある方
矯正歯科治療を行う時点で虫歯やその治療中の箇所がある方は、それが改善されるまで治療を受けることができません。
基本的に矯正歯科治療中は大きな虫歯を治療する場合、矯正器具を一旦外して治療をせざるを得ないため虫歯治療が完全に終了するまで矯正治療は一旦ストップします。
矯正歯科治療を途中で止めることはリスクが伴うため、矯正歯科治療を始める前に虫歯のある方はNGとなります。
② 歯周病の症状のある方
日本でも30代以上の成人のうち、3人に2人がなっていると言われている歯周病。
歯周病患者様もしくは同様の症状のある方は歯茎に炎症が起きやすく、また虫歯にもなりやすいため口腔内のプラークコントロールが重要になりますが、矯正歯科治療はこのプラークコントロールが難しいこともあり、歯周病の進行度やその症状の度合いにより治療ができないことがあります。
③ 歯茎の下がっている方、歯肉の薄い方
歯茎が下がると知覚過敏の症状が出たり、歯がグラグラするなどのトラブルを引き起こします。
このような方は、矯正歯科治療を行うことで歯茎が下がる(歯肉退縮)ことがあるため知覚過敏が激しくなったり、歯の不安定さから治療を途中で停止しなければならなくなる可能性があるため、症状の度合いにより矯正歯科治療が行えないことがあります。
④ 顎の骨が足りない方
特にご年配の方に多いものですが、顎の骨の骨量や密度が足りない場合、矯正歯科治療が受けられないことがあります。
事前に精密な検査を行うので心配はいませんが、どなたでも可能性があるため注意が必要です。
このように矯正歯科治療には注意点が多くあります。
しかしながら、上記のように注意点が実は多くあるにも関わらず、矯正歯科治療が行えないケースの誤った認識が浸透しているように思います。
例えばご年配の方は治療ができない、という認識が世間一般的にあるようですが、実は矯正歯科治療に正確な年齢制限というものはありません。上記内容に該当する方であれば、たとえ若い方でも矯正歯科治療が行えない場合があるのです。
先述したようにご年配の方の矯正歯科治療は、歯やあごの骨の量や強度等、いくつかの条件を満たしていないと治療を行うことができない場合があります。これは加齢とともに歯やあごの骨が弱くなっていくことにも起因するため、このことから世間一般では「高齢者は矯正歯科治療は行えない」という認識が強いのだと考えられます。
若い方の場合はあまり関係ないのでは?と思われている方が多いかもしれませんが、若い方でも同様に治療が行えない場合がありますのでその点注意が必要だと言えるでしょう。
そして年齢に関係なく矯正歯科治療が行えない原因となり、実は多くの方にありがちであるにもかかわらず、自覚のない注意点として挙げられる『歯周病』という病気。